
最近疲れが酷いんだけど。。。

疲れない身体作りに良い対策法はないかしら。
このような声にお答えします。
本記事では、なぜ疲労は99%防げないのか紹介します。
本記事を読むと、回復力を最大限高める身体作りを知ることができます。
疲労とは
日本疲労学会によると、疲労とは過度の肉体的および精神的活動、または疾病によって生じた独特の不快感と休養の願望を伴う身体の活動能力の減退状態であると定義されています。
アスリートは、シーズンを通して戦わなくてはいけないため、毎日の回復が重要なカギとなります。そのため、シーズン中はトレーナーが帯同し、マッサージや電気治療、ハリ治療を施して疲労回復に努めています。
運動をすると、大量の酸素が消費されることで、疲労という症状を起こします。
乳酸という言葉を聞いたことはありますか?
短距離などの瞬発系でエネルギーを作り出すためには、解糖系というカラダの仕組みを利用します。これは筋肉に貯蔵されているグリコーゲンをピルビン酸に変えてから、ミトコンドリア内でエネルギーを生み出し爆発的な筋収縮を起こします。この過程で老廃物として出る乳酸は、一般的に疲労物質として知られていました。
1.乳酸は30~1時間で消失する。
乳酸が疲労物質であれば、消失することで回復するはずですが、現実的には回復までに時間がかかります。このため、乳酸の考え方が変化してきました。
2.乳酸はエネルギーを作り出す。
老廃物として生まれた乳酸は、血中に脱出し他の臓器のエネルギー源となります。このため、乳酸は老廃物ではなく、エネルギーとして再利用されています。
疲労のチェック方法
LT法
従来、乳酸=疲労物質ととらえられていたため、LT( lactate threshold)法が用いられていました。LT法とは、乳酸性閾値と呼ばれ、血中の乳酸濃度が急激に上昇する運動強度のことを指します。現代は、このLT法を新たな視点でとらえています。
運動時は、糖質を主のエネルギー源として活用します。このエネルギー源(ATP)を作っているのはミトコンドリアです。ミトコンドリアの機能評価こそ、LT法が活用されています。
解糖系で利用されるグルコースは、ピルビン酸になります。そのピルビン酸は、有酸素でエネルギーを生み出すクエン酸回路に入りATPとなります。
しかし、クエン酸回路で消費されるピルビン酸の量より、解糖系で生み出すピルビン酸の量が増さることで、余ったピルビン酸が乳酸となり血中に流れるのが要因であると言われています。
このように、乳酸閾値の機能評価は、ミトコンドリアという観点では有効です。しかし、ランニングマシンなど設備が揃っている場所でないと、測定することができません。
そこで、簡単にできる疲労チェックも紹介します。
自己診断疲労度チェックリスト
下記のような簡易的に確認できるチェックリストがあります。ぜひ一度お試しください。
あなたの健康管理シート(点数記入欄のかっこにあてはまる点数を記入して下さい。)
症状の点数:
全くない(0点) 少しある(1点)まあまあある (2点)かなりある (3点)非常に強い (4点)
A.身体的疲労 (各項目0点~4点 x 10項目: 40点満点)
1. 微熱がある
2. 疲れた感じ、だるい感じがある
3. 一晩寝ても疲れがとれない
4. ちょっとした運動や作業でもすごく疲れる
5. 筋肉痛がある
6. このごろ体に力が入らない
7. リンパ節が腫れている?
8. 頭痛、頭重痛がある
9. のどの痛みがある
10. 関節が痛む
合計点A(点)B.精神的疲労 (各項目0点~4点 x 10項目: 40点満点)
11. よく眠れない
12. ゆううつな気分になる
13. 自分の体調に不安がある
14. 働く意欲がおきない
15. ちょっとしたことが思い出せない
16. まぶしくて目がくらむことがある
17. ぼーっとすることがある
18. 思考力が低下している
19. 集中力が低下している
20. どうしても寝すぎてしまう
合計点B (点)
総合計点 A+B(点)ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
自己診断疲労度チェックリスト判定表
総合的評価 安全ゾーン 全般的な疲れはあまりないようです。この状態を維持するように心がけましょう。 要注意ゾーン 少し疲れがみられます。身体的評価、精神的評価をみてみましょう。 危険ゾーン かなり疲れが溜まっているようです。身体的評価、精神的評価をみるとともに、長く続くようでしたら医師と相談しましょう。 身体的評価 安全ゾーン 身体的な疲れはあまりないようです。この状態を維持するように心がけましょう。 要注意ゾーン 少しからだがお疲れのようです。休息をとって回復に努めましょう。 危険ゾーン この状態が1ヶ月以上続いているのなら要注意。半年以上続く場合は何らかの病気である可能性が高いと思われます。医師と相談しましょう。 精神的評価 安全ゾーン 精神的な疲れはあまりないようです。この状態を維持するように心がけましょう。 要注意ゾーン 少し精神的な疲れがみられます。心のリフレッシュやリラックスを心がけましょう。 危険ゾーン 疲れに伴う精神症状が強く認められます。長く続くようでしたら専門医と相談しましょう。
回復力を高める方法
疲労は、運動などで蓄積されるものです。このため、疲労に強いカラダ作りも大切ですが、私は回復力を高める身体作りをオススメしています。そこで重要なのがトレーニングです。では、回復力が高い身体作りとは、どんなトレーニングでしょうか?
これはLT値(乳酸が急激に上昇するポイント)を向上することを目的としたトレーニングです。よく乳酸をため込んで、尚走るということで、強化されると考えられてきました。
私は、解糖系とクエン酸回路系を念頭に置く必要があると考えています。
最初は全力で走り、グルコースからピルビン酸を作ります。そして、全力で走った後、持久力系のトレーニングを実施することで、解糖系により産生されたピルビン酸がクエン酸回路でATPに変化し再利用されるということです。このため、どれだけ、最初に追い込みをかけて有酸素に移行するかが大切になってきます。
他にもTABATA式やHIIT法、サーキットはオリジナルのメニューに変更することで大変有効です。
まとめ
回復力を高める身体作りは、日頃の生活を快適にします。走ることは、精神的な疲れも癒します。簡易的なセイルフチェックシートを使って自己分析し、トレーニング効果を検証してみましょう!