足首を内側に捻って捻挫と思いきや手術!検討する3つの特徴を紹介します。
足の捻挫ってすぐに治るんじゃないんですか?
手術することなんかあるんですか?
このような声にお答えします。
本記事では、足首を捻って不安定感が強くなった時の悩み相談を紹介します。
本記事を読むと、足関節捻挫に関するお悩みをどう解決したか分かります。
足首の捻挫とは
足首の捻挫を経験している方も多いのではないでしょうか。そもそも捻挫とは何かご存知ですか?捻挫は、捻ることで、靱帯を微細損傷または完全断裂した状態を指します。症状は、人によって様々で、パンパンに腫れる方から、腫れがみられない方まで幅広いです。多くの方が経験し、安静にすることで治ったので、軽視されがちですが、改めて見直す必要があります。
今回は、19歳サッカー部所属、男性の悩みを記事にしましたので、最後まで見て頂けたら嬉しいです。
Aさんの相談内容
今回の相談者は、19歳サッカー部所属の男性です。
8歳からサッカーをしていて、足首を捻ることは100回を超えています。今回も、サッカーの練習中に切り返した際、グラウンドの芝にひっかかって、内側に足首を捻りました。もう大分時間がたったんですが、足首不安定感が全く抜けません。ボールを蹴ろうとすると、足が飛んでいきそうな恐怖にも襲われます。。私の足は大丈夫ですか?
いわゆる捻挫癖がある方は、こうした悩みを抱えていませんか?ほとんどの方が、捻挫を軽視する傾向にありますが、この症状は身体の危険信号です。では、足首の捻挫で代表的な、『足関節捻挫』について解説します。
足関節捻挫とは
足関節捻挫とは、足首の安定性に関わる靱帯を損傷することで、痛みや不安定感を訴える疾患を言います。では、どんな靱帯を損傷するかというと、①前距腓靱帯、②踵腓靱帯です。それぞれの靱帯は役割が下記のように異なります。
1.前距腓靭帯
下記の図のように、腓骨(外側の骨)と距骨に付着するのが前距腓靱帯です。これは、足関節捻挫で最も多く損傷する靱帯と言われています。外くるぶしの前下方を押してみて痛みがあれば、前距腓靱帯損傷の疑いがあります。前距腓靱帯は、足が前方にズレないように制止する役割があります。そのため、損傷すると、前方への不安定性が増大します。
2.踵腓靱帯
下記の図のように、踵骨(カカトの骨)と腓骨(外側の骨)に付着するのが踵腓靱帯です。踵腓靱帯損傷は、前距腓靱帯と違い、腓骨の真下を押した時に痛みがあれば、損傷を疑うことが出来ます。踵腓靱帯の機能としては、足首が左右にグラつくのを防ぐ作用があります。そのため、損傷すると、左右への不安定性が増大します。
この2種類の靱帯は、単体で痛める他にも、同時に損傷(合併損傷)することがあります。
損傷した靱帯は治るのか?
足関節に関わらず、靱帯は、一度断裂すると修復することは困難です。足関節捻挫を繰り返している方で、両方の足裏がくっつく位、妙に足関節が緩い方はいませんか?過去に捻挫を繰り返した覚えがあって無症状の方も、危険信号です。靱帯は完全断裂すると手術になる例もあります。足首は、まだまだ認知度が低いですが、肘はニュースにも取り上げられているため、有名です。
損傷の程度
靱帯の損傷には下記のように程度があります。程度とは、微細損傷なのか?断裂しているのか?判断するうえの共通言語として重要な情報となります。
程度 | 内容 |
1度 | 微細損傷 |
2度 | 部分断裂 |
3度 | 完全断裂 |
上記の分類で、3度と判定された場合、完全断裂を指します。これは、靱帯の完全断裂なので、手術を検討することがあります。
手術を検討する3つの特徴
靱帯が完全断裂を起こしていても、手術しない例は沢山あります。では、どんな方が手術を検討するのでしょうか。その例を下記にあげます。
- 踏み込んだ時にグラつく
- ボールを蹴った時に足首が取れそうになる
- 歩いていても不安感がぬぐえない
上記の症状を訴えている場合は、手術を検討します。
私も、とにかく不安定感が強いですし、過去に100回以上捻っているので、すべて当てはまっています。。
そうなんです。もちろん即手術とは言えませんが、医師による診断は必須だと思います。サッカー中は、何かテーピングやサポーター等つけていますか?
テーピングをつけています。なのですが、それでも怖さは取れていません。バランストレーニングもやっているんですが、全く治らないんです。
テーピングの場合は、時間が立つと緩むことが多いです。さらにサポーターも通常のものでは、脆く固定力が足りない可能性があります。足関節捻挫の方に勧めるバランストレーニングは、重要なリハビリテーションです。しかし、完全断裂している場合、構造的に破綻しているので、不安定感は、どんなにトレーニングしても抜けません。なので根本的原因を治してから、次のステップとして取り組むと良いです。
Aさんの考えられる疾患
Aさんは過去に100回を超える捻挫をしており、捻挫癖も見られました。そして、強い不安定感を訴えていることから、前距腓靱帯と踵腓靱帯が完全断裂していると考えられます。そのため、次の治療方法を提案しました。
足関節捻挫の治療
Aさんの場合、靱帯の断裂が疑われたので下記のアプローチを提案しました。
- 医師による診察(レントゲンやMRI等)
- 手技(マッサージ)
- 電気療法
- 強力なサポーター
完全断裂を判断するために、医師の診察は欠かせません。他にも、足首内側に捻るのを防止する長・短浅腓骨筋は、特にハリが強く出る傾向があるので、マッサージと電気療法が必要です。
長腓骨筋
起始:骨間膜、腓骨外側面
停止:第1中足骨底
神経:浅腓骨神経
作用:足関節の回外、底屈
短腓骨筋
起始:腓骨の遠位2/3の外側縁
停止:第5中足骨の外側粗面
神経:浅腓骨神経
作用:足関節の回外、底屈
Aさんはテーピングをしていましたが、競技中は汗をかくため、ほとんどが中盤で緩んでいます。そのため、サポーターの着用を強くオススメします。しかし、サポーターも柔らかいものではなく、競技に安心して取り組めるものが良いです。私は、色々販売されているサポーターの中でも、錦織選手が着用している足首のサポーターが固定力も強く一番オススメです。